世界的ブランド「NIKE(ナイキ)」は、どのように生まれたのか?
創業者フィル・ナイトが、自らの若き日の苦悩、挑戦、失敗、そして成功を率直に語った感動の実話です。

簡単なあらすじ
大学を卒業したフィル・ナイトは、「日本の靴をアメリカで売れば成功する」というアイデアを胸に世界一周の旅に出ます。
そこで出会ったのが、日本の靴メーカー「オニツカタイガー(現アシックス)」。ナイトはこの会社から靴を輸入し、アメリカで販売を始めます。
ガレージで始めた小さなビジネスは、次第に仲間を集め、資金繰りに苦しみながらも少しずつ成長。やがて「Blue Ribbon Sports」は「NIKE」へと名前を変え、世界を代表するスポーツブランドに。
本書は、夢を追う青年がいかにして伝説の企業を築いたのかを描く、実話のストーリーです。
本の概要
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | Shoe Dog |
著者 | Phil Knight(フィル・ナイト) |
出版年 | 2016年 |
ジャンル | 自伝/ビジネス/ノンフィクション |
日本語訳 | 『SHOE DOG 靴にすべてを。』(東洋経済新報社) |
フィル・ナイトは、スタンフォード大学MBA卒業後にNIKEを創業。
彼が語るのは「成功した経営者の栄光」ではなく、「失敗・不安・情熱」のリアルな日々。

私だったら精神的に追い詰められて挫折しそうな時でも、前向きに挑戦していくフィル・ナイトに最後まで感動しました!そしてそれをずっとサポートしていた奥様を尊敬!
読みどころ・心に残るポイント
- 企業の裏側を描きながらも、まるで小説のようにドラマチックな展開
- 若き日のナイトの「迷いや葛藤」が人間らしく、共感を呼ぶ
- 仲間たちとの信頼関係、家族との衝突、そして“Just Do It”の精神が生まれるまで
- 「情熱を持つことの意味」を考えさせられる一冊
読み進めるうちに、「成功とは勇気の積み重ね」であることを実感します。
ナイトの文章は誠実でユーモアもあり、ビジネス書というより“人生の物語”として読めます。


第二次世界大戦後間もないころに日本を訪れているフィル・ナイトですが、アメリカ人側の視点で戦後の日本に対する考えや日本への印象が細かく語られているので、読んでいてとても興味深かったです。
英語のレベルと読みやすさ
項目 | 内容 |
---|---|
難易度 | ★★★★☆(中上級) |
語彙 | ビジネス用語・スポーツ用語あり。慣れれば理解しやすい。 |
文体 | 語り口調で読みやすいが、長文が多い。 |
ボリューム | 約400ページ(Kindle版) |
ビジネス英語の多い箇所もありますが、文体は意外と親しみやすく、英語学習者でも十分読めます。
ナイトの語りは率直で、複雑な比喩や専門用語は少なめ。ストーリーの流れに引き込まれます。
最後まで読み終えるポイント
1.序盤(世界一周旅行の章や日本訪問時の様子)をじっくり読む
彼の性格や価値観を理解すると、後半の葛藤がより深く響きます。
2.ビジネス用語にとらわれすぎない
数字や契約の話は流し読みOK。感情の部分を味わう読み方が◎。
3.Audibleで聴くのもおすすめ
朗読が非常に良く、まるでドキュメンタリー映画のような臨場感。
4.1日10ページを目標に
章が長いので「少しずつ進める」方が最後まで読み切りやすいです。
おすすめしたい読者
- 起業家やフリーランスを目指している方
- 「夢をあきらめたくない」と思っている方
- 英語で“実話の力”を感じたい読書家
- ビジネス書は苦手だけど、物語なら読めそうという方
まとめ
『Shoe Dog』は、ナイキの成功物語でありながら、同時に「挑戦することの尊さ」を描いた人生の物語です。
華やかなブランドの裏にある、泥臭くも誠実な努力の積み重ね。
英語で読むことで、より深くナイトの言葉の重みが伝わります。
情熱を失いかけたときに読み返したい、勇気をくれる一冊です。