【洋書を読もう】MAUS 1(Art Spiegelman)ホロコーストを「家族の物語」として描いた、胸を打つ漫画小説

こちらは高校(10th)に通う子供の課題図書だったので、一緒に読んでみました。

MAUSは、作者スピ―ゲルマンの父がホロコーストを生き抜いた記憶を、動物のキャラクターで表現したグラフィックノベルです。

テーマは重いのに、漫画なのでサクサク読め、静かに心へ沁みてくる深い余韻のある本でした。

全2巻ですが、今回は1巻目を読みました。



✔ 簡単なあらすじ

主人公は作者・Art自身。
彼はインタビューを通して、父親がポーランドでナチスの迫害から生き延びた記憶をマンガとして再現していきます。

  • ユダヤ人=ネズミ(Mice)
  • ナチス=猫(Cats)
  • ポーランド人=豚(Pigs)

という寓話的な描写が使われていますが、
描かれているのは「フィクション」ではなく、実際に父親が経験した残酷な現実。

父親の苦悩、母親の最期、家族の傷跡…。
そしてアート自身もその影響から逃れられず、父との関係に悩み続けます。

読むほどに、「歴史」ではなく「ひとりの家族の痛み」として胸に迫ってくる物語です。


✔ 本の概要

  • タイトル:MAUS
  • 著者:Art Spiegelman
  • 出版年:1986〜1992(第1巻・第2巻)
  • ジャンル:グラフィックノベル/ノンフィクション
  • 受賞:ピューリッツァー賞
  • 日本語訳:『マウス I/II』(晶文社)

✔ 読みどころ・心に残るポイント

1. コマ割りと絵の力で感情が一気に伝わる

絵があるぶん、恐怖や混乱がより生々しく迫ってきます。
英語の難易度が下がるだけでなく、理解が深まるのが魅力です。

漫画なのでさくさく読めますが、全て大文字なので、私はそこだけ最初は読みにくく感じましたが、読み進めるうちに大文字だけの文章も慣れてきました。

2. 「戦争の記録」だけではなく「父と子の物語」

父との関係に迷いながら必死に“聞こうとする”アートの姿が印象的。
淡々と語られる日常の会話が、逆に痛ましく響きます。

3. 英語は意外と読みやすい

ホロコーストを扱った本としては、語彙はそこまで難しくありません。
描写を絵が補ってくれるので、英語学習者にもおすすめ。


✔ 英語のレベルと読みやすさ

  • 難易度:★★★☆☆(中級)
  • 語彙:日常語が中心、歴史用語は一部あり
  • 文体:会話が多く読みやすい
  • ボリューム:第1巻160p/(第2巻136p)

✔ 最後まで読み切るコツ

  1. グラフィックノベルは「流れ」で読む
     細部にこだわらず、絵とセリフでストーリーを追いかける。
  2. 歴史用語は必要最小限だけ調べる
     背景は絵とストーリーで理解できます。
  3. 登場人物を整理して読むと読みやすいです
     仲間や家族、敵などがたくさんの名前が出てくるので、混乱しないように読み進めるのがコツです

✔ おすすめしたい読者

  • グラフィックノベルに挑戦したい方
  • ノンフィクションが好きな方
  • 歴史を「物語」として深く感じたい方

✔ まとめ

MAUSは、重いテーマながら「読みやすさ」が絶妙。
絵で雰囲気が読み取れ、状況が把握しやすいのも漫画のいいところだと思いました。

紹介した本はこちら